みえるもの・みえないもの
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『ある人、弓射ることを習ふに、諸矢をたばさみて的に向かふ。
師のいはく、「初心の人、二つの矢を持つことなかれ。
のちの矢を頼みて、初めの矢になほざりの心あり。
毎度ただ得失なく、この一矢に定むべしと思へ。」と言ふ。
わづかに二つの矢、師の前にて一つをおろかにせんと思はんや。
懈怠の心、みづから知らずといへども、師これを知る。
このいましめ、万事にわたるべし。
道を学する人、夕には朝あらんことを思ひ、
朝には夕あらんことを思ひて、
重ねてねんごろに修せんことを期す。
いはんや一刹那の内において、
懈怠の心あることを知らんや。
何ぞ、ただ今の一念において、
ただちにすることのはなはだ難き。』
『徒然草』兼好法師より
昔働いていた事務所の所長が
スケッチだからといって
手を抜かずをいつも美術館に飾つもりで
描きなさいとおっしゃられていましたが、
時代も言葉も違えど意味は一緒。
今頃になって気づかされることが多い。
絵画は美術館に飾るために描くのでは無い
などと揚げ足を取ってははいけません。
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